ひな祭りの飾り始めは1月中旬~2月中旬、片づけは3月4日~4月中旬の晴れの日

飾り始めは1月中旬〜2月中

 
ひな祭りと縁深い京都では、立春(2月4日ごろ)からひな人形を飾り始める。節分で厄を払った翌日にひな人形を出すという流れは理解しやすい。

 
2月18、19日あたり、二十四節気の「雨水(うすい)」の時期に出すのがよいという説も。

 
雨水は「降る雪が雨に変わり、雪解けが始まる時期」とされており、農耕の準備を始める目安でもある。水で厄を流してきた上巳の節句らしい考え方で、「雨水に人形を飾り始めると良縁に恵まれる」という言い伝えも一部に残る。

 
東海の一部地域では松の内が明けた1月8日ごろから飾り始めるという。

 

片付けは3月4日〜4月中旬の晴れた日

 
ひな祭りが終わった後、よく晴れた湿気の少ない日に人形をしまう。このひな祭りを旧暦(4月3日)で祝う家もあるため、一月程度のズレが生じる。

 
旧暦でひな祭りを祝うのでなければ、二十四節気の雨水が終わった「啓蟄(けいちつ)の日(3月5日ごろ)」に片付けるのがおすすめだ。

 
片付けが遅れると婚期が遅れるという話もまことしやかに囁かれるが、なぜこのようなことがいわれるようになったのだろう。

 
ひな祭りが厄払いとして始まったという由来から、人形を水に流す代わりに素早く片付ける意識が残っていると考えられる。片付けが遅れると、人形に代わってもらった厄が戻ってくるという考えから、早く片付けて休んでもらおうというわけだ。

 

ひな人形のバリエーション

Dolls-Festival

 
江戸時代前期までは紙で作られた男女一対の紙立雛(かみだちびな)が主流だったというが、ご存じ現代では大勢の侍従や飾りに囲まれた豪華なひな人形も多い。

 
現在流通しているひな人形には、どんな種類があるのかを見ていこう。

 
・配置の違い:京雛・関東雛
・人数の違い:親王飾り・五人飾り(二〜三段飾り)・七段飾り
・素材の違い:紙・木・土(陶磁器)・布
・体勢の違い:立雛(たちびな)・坐雛(すわりびな)
・衣装の違い:衣装着(いしょうぎ)人形・木目込(きめこみ)人形
・ケースの違い:収納飾り・ケース飾り・段飾り

 
以上は部屋に置いて飾ることを前提にしたバリエーションだが、これ以外に

 
・つるし雛(吊るし飾り)
・流し雛

 
なども存在する。

 
ひな祭りの長い歴史のなかで、さまざまな人の願いによって、多くのひな人形やひな飾りが生まれてきた。この機会にご家庭のひな飾りの来歴をゆっくりと考えてみるのもおすすめだ。

 

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